第3回 2019/8/1 3限
- 講師:伊藤隆司
- 参考書:現代生物科学入門1:ゲノム科学の基礎
- 参考書:ゲノム医学 メディカルサイエンスインターナショナル
次世代シーケンサー
以下の3種類が主流だが、主に使われているのは真ん中のillumina社のシークエンサー。
- Roche 454 Genome Sequencer FLX
- Pyrosequencing
- 250 nt×0.4 M=0.1 Gb/run(8h)
- Illumina-Solexa Genome Analyzer
- Sequencing by synthesis
- 50 nt×80 M=4 Gb/run(3d)
- ABI SOLiD
- Sequencing by synthesis
- 50 nt×200 M=10 Gb/run(5d)
Pyrosequencing
- 相補的な dNTP を加えた時に塩基伸長が起き、PPi(ピロリン酸)ができる。
- 遊離した PPi(ピロリン酸)と反応してSulfurylaseが ATP を産生する。
- この ATP がLuciferase発光をカスケードする。
DNAN+dNTPPolymerase→DNAN+1+PPiPPi+APSSulfulylase→ATPATP+O2+LuciferinLuciferase→AMP+PPi+CO2+Oxyluciferase+Light
454(Roche)
上記の反応を徹底的にマイクロ化した。(ピコリットル 10−12L で反応。第一世代の100万分の1のスケール)
一つのDNA吸着ビーズに1分子のDNAを結合させて、水と油のエマルジョン中でPCR増幅をする。これに寄って個々のビーズが大腸菌のクローンに相当する役割を発揮する。
Solexa
何が違うのか?
# | 第1世代 Sanger法 |
第2世代 SBS |
第3世代 SMRT/Nanopore |
---|---|---|---|
鋳型調製 | |||
反応 | |||
読み取り | 電気泳動装置 | 反応と読み取りが一体化 | 反応と読み取りが一体化 |
正確性 | ◯ | △ | × |
出力 | × | ◯ | △ |
リード長 | △ | × | ◯ |
第四世代?
Post-light sequencer
- Oxford Nanopore:
DNAポリメラーゼの一分子観察。ナノポアをDNAまたはヌクレオチドが通過する際の電気抵抗の変化を読み取る。
一分子を読むが故に
- 試薬の濃度が100%ということはないので、色がついていないものを使って伸長反応が行われてしまう。
- DNAポリメラーゼの精度にもよる(間違えて酵素反応をしたが校正機能によってやり直した、などでも読み取りミスが生じる。)
- Ion Torrent:
ヌクレオチドの取り込みで生じる H+ を計測(中身はただのpHメーター)
個人ゲノム解読
ヒトゲノム計画 | 個人ゲノム解読 |
---|---|
de novo sequencing(新規) | re-sequencing(お手本あり) |
誰か特定の人のゲノムではない(混合物) | リアルな個人のゲノム |
二倍体ゲノムではない(データは一本) | 二倍体ゲノムを目指す |
ヒトゲノム多様性のオーダー
多様性 | オーダー |
---|---|
ゲノムサイズ | 109 |
SNP | 106 |
Indel | 105 |
非同義置換 | 104 |
SV(Structural Variation) | 103 |
遺伝子機能低下 | 102 |
遺伝子機能喪失 | 10 |
これかのゲノミクス
- 個人ゲノミクス
- 二倍体:完璧なゲノム
- コホート:集団
- 単一細胞ゲノミクス
- 脳
- がん
ゲノムコホート
- コホート研究
- あらかじめ生活習慣などを調査しておき、その後の病気の発生率を比較する疫学研究。
- 病気になった人の過去を遡る症例対照研究とは異なり、未来に向かって追跡調査を行う。
- ゲノムコホート研究
- ゲノム配列も含めたオーミクス情報も調査
- 生体試料をバンク化(バイオバンク)
- 臨床情報も含めたデータベース化
- 10万人を超える規模で展開