第3回 2019/4/24
- 講師:山田 貴富
- 参考書:遺伝子の分子生物学 第7版 pp.236-255, pp.657-700, pp.728-730
- 参考書:細胞の分子生物学 第5版 pp.215-227, pp.467-476
- 参考書:エピジェネティクス
- 参考書:エピゲノムと生命
- 参考書:エピジェネティクス革命
講義概要とキーワード
- エピジェネティクスの身近な例
- エピジェネティクスの分子機構
- DNA(シストン)のメチル化
- メチル基修飾の位置
- シトシンメチル化の生物学的意義
- シトシンメチル化の制御
- 新規メチル化
- 維持メチル化
- 脱メチル化
- (CpGアイランド)
- キーワード:de novo型DNAメチル化酵素・維持型DNAメチル化酵素・メチル化DNA結合タンパク質・Tet
- クロマチンの構造変化(リモデリング)
- リモデリングの機構(代表的には4種類)
- リモデリング因子
- キーワード:ATP依存性クロマチン再編成因子
- ヒストン修飾
- ヒストン修飾の意義(例としてリジンアセチル化)
- ヒストンコード仮説〜概要と問題点〜
- 代表的な修飾の機構と意義
- リジンのアセチル化
- リジンのメチル化
- キーワード:ヒストン修飾酵素・ヒストン脱修飾酵素・クロモドメイン・ブロモドメイン
- DNA(シストン)のメチル化
- エピジェネティクスが関わる現象や疾患の分子レベルでの考察
- ヘテロクロマチンと位置効果
- ヘテロクロマチンの特徴
- ヘテロクロマチンの伸長
- (ヘテロクロマチンと相分離)
- 位置効果
- X染色体の不活性化
- キーワード:構成的ヘテロクロマチン・条件的ヘテロクロマチン
- ゲノム刷り込みと疾患
- 刷り込みの例
- 刷り込みの機構と実際の例
- (コヒーシンによるTAD形成の刷り込みへの寄与)
- 刷り込みの疾患への関与
- リプログラミングとエピジェネティクス
- 体細胞クローン技術
- iPS細胞
- ヘテロクロマチンと位置効果
小テスト
# | 問題 | 解答 |
---|---|---|
1 | 真核生物のDNAメチル化について答えてください。 | |
1.1 | 最も重要なメチル化モチーフ(塩基配列)とそこでメチル化される塩基を答えてください。 | モチーフ:CG, 塩基:C,シトシン |
1.2 | 1.1のメチル化が見られる遺伝子の転写活性は一般的にどのような状態にありますか? | 抑制されている。 |
2 | クロマチンリモデリングの機構として代表的なものを4つ答えてください。 | スライド・再編成・ヌクレオソームをDNAから外す・ヌクレオソームを入れ替える |
3 | ヒストン修飾を介したクロマチン構造やエピジェネティックな遺伝において、クロモドメインタンパク質とブロモドメインタンパク質の役割を答えてください。 | クロモドメインはヒストンのメチル化されたリジンを、ブロモドメインはヒストンのアセチル化されたリジンを認識し、結合することで、クロマチンの構造変換をもたらす。これによって転写の抑制に関与する。例えばクロモドメインを介して9番目のリジンがメチル化されたヒストンH3を認識して結合するヘテロクロマチンタンパク質HP1などが知られている。 |
4 | 次の点について、最も関係の深い現象を下の語群の中から選んで下さい。 語群:位置効果;ブロモドメインタンパク質;X染色体不活化;刷り込み;コンパートメント |
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4.1 | 三毛猫の毛の模様の違い | X染色体不活化 |
4.2 | タイゴンとライガーの違い | 刷り込み |
4.3 | ショウジョウバエwhite遺伝子の発現状態による眼の色の違い | 位置効果 |