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細胞分子生物学Ⅰ 用語チェック

用語チェック

  • 講師:正井 久雄

DNA複製に関して

真核細胞と原核細胞のDNAの複製の様式に関して下記の記述について

  • 真核細胞に特異的なものはE
  • 原核細胞に特異的なものはP
  • 両方に共通なものはB
  • 両方に当てはまらないものはN

と記述せよ。

# 答 問 コメント
1 P 複製開始部位は通常一個の染色体/ゲノム上にひとつである。
2 B 複製は複製開始部位から両方向に進行する。
3 B リーディング鎖は連続的に合成される。
4 B ラギング鎖は不連続に合成され、岡崎断片が後に連結される。
5 B DNAポリメラーゼは常に5'から3'の方向にDNA鎖を伸長する。
6 P 複製フォークの進行速度は一秒に約1kbである。
7 E 複製フォークの進行速度は一分間に1-2kbである。 ここはデータによってあるいは細胞の種類等により異なるので、やや意見が分かれるかもしれない。もう少し早いと考えている人もいるかもしれないですが、数kb/分のオーダーです。
8 B チミンダイマーなどのDNA損傷部位においては通常DNAポリメラーゼの身長は阻害されるが、これらのDNA損傷を乗り越えてDNA合成を行うことのできるDNAポリメラーゼを有する。
9 N 岡崎断片の長さは通常一定ではない。 In vitroなどでprimaseの濃度を低下させるなどすると長くなることはありますが、通常は細胞の中での岡崎断片の長さは大きくは変動しないと思われます。
10 E 岡崎断片の長さは150ヌクレオチドほどである。
11 P 岡崎断片の長さは1-2kbほどである。
12 B 岡崎断片の合成は通常短いRNAの3'水酸基から開始される。
13 N DNAポリメラーゼは鋳型DNAの特異的な配列を認識して複製を開始することができる。
14 B 複製DNAポリメラーゼは校正機能である3'-5'エキソヌクレアーゼ活性を付随している。 ほとんどのfidelityの高い複製ポリメラーゼは有しています。しかしウイルスのポリメラーゼなど例外もある可能性があるので問題としてはやや不正確であったかもしれません。
15 N 複製DNAポリメラーゼは通常primer RNAを除去する5'-3'エキソヌクレアーゼ活性を付随している。 有名な大腸菌のDNAポリメラーゼⅠはこの活性を持っていますが、通常はなくてprimer RNAはRNaseHとかFenⅠ nucleaseなどにより除去されます。
16 B 岡崎断片を連結するのはDNAリガーゼという酵素である。
17 N DNAヘリカーゼはGTP加水分解のエネルギーを利用して二本鎖DNAを巻き戻す これはもちろんATPです。
18 N 複製が進行するにつれて蓄積するDNA鎖のねじれを解消するのは、DNAトランスロケースという酵素が行う。 これはDNAトポイソメラーゼですね。
19 P DNA合成と細胞分裂は同時に進行しうる。 細菌では、増殖の速度が速い時にはDNA合成と細胞分裂は同時に進行します。
20 B DNAが損傷するとDNA複製が阻害されるが、その時細胞分裂を阻害するシグナルが細胞内に誘起される。 細菌においてもDNA複製が阻害されるとSOS反応が誘起され、その一環として細胞分裂阻害因子が産生され、細胞分裂が一時的に阻害されます。

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Published
Jul 24, 2019
Last Updated
Jul 24, 2019
Category
細胞分子生物学Ⅰ
Tags
  • 3S 95
  • 細胞分子生物学Ⅰ 14
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