- 講師:能瀬聡直
- 講義資料:生物物理学
- 参考書:神経科学 -脳の探求-
- 参考書:ニューロンの生物物理
講義概要
- 生物物理学とは
- 遺伝情報の流れ
- 蛋白質の構造と機能
- 細胞内タンパク質のダイナミックス
- 遺伝子操作技術
- ゲノム科学とバイオインフォマティックス
- バイオイメージング、生体分子計測
- 脳・神経系の生物物理
講義日程
# | 日付 | 担当 |
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1 | 9/25 | 能瀬 |
2 | 10/2 | 樋口 |
3 | 10/9 | 樋口 |
4 | 10/16 | 樋口 |
5 | 10/23 | 樋口 |
6 | 10/30 | 樋口 |
7 | 11/6 | 樋口 |
8 | 11/20 | 能瀬 |
9 | 11/27 | 能瀬 |
10 | 12/4 | 樋口 |
11 | 12/11 | 能瀬 |
12 | 12/18 | 能瀬 |
13 | 1/8 | 能瀬 |
14 | 1/15 | 能瀬 |
生物物理学とは?
物理の手法で生物を見る。
生体分子の機能や構造の研究。
- 対象は広範囲、ただし物理的理念を背景にもつ。
- 生体高分子の構造・機能、脳・神経機構など単なる記述中心の従来の生物学と異なり、論理的な思考法を用い、より普遍的な原理を見いだすことを目指している。
生物物理の代表的発見
- DNA二重螺旋構造の発見(1953年、1962年ノーベル生理医学賞)
- 蛋白質の高次構造の解析(1960年、1962年ノーベル化学賞)
- 神経活動のイオン機構の解明(1953年、1963年ノーベル生理医学賞)
最近の技術革新
- ヒトゲノム計画
ヒトの全遺伝子の設計図解読の終了(2000年) - イメージング技術
蛍光蛋白質・レーザー顕微鏡(1990年代) - 1分子観測・1分子操作
溶液中での蛋白質1分子の観察(1990年代)
神経回路の作動原理の解明に向けた従来の3つのアプローチ
- 解剖学(Anatomy) 神経の配線を明らかにする。
- 生理学(Physiology) 神経活動を測定・操作する。
- 理論 神経活動パターンから原理を抽出
Part1. Introduction
- 脳神経系における情報の流れ
- ニューロンの構成
脳とコンピューター
半導体 | ↔︎ | 半導体素子 | ↔︎ | 集積回路 | ↔︎ | コンピューター |
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分子 | ↔︎ | 神経細胞 グリア細胞 |
↔︎ | 神経回路 | ↔︎ | 脳 |
活動電位の特徴
- 全か無か:\(\mathrm{Na}\) チャネル活性化に閾値がある。
- 一過性:\(\mathrm{Na}\) チャネル不活性化
- 確実に伝播
一体、どのような構造を持った神経回路の中を、どのように信号が伝わることで特定の演算が創発されるのか。