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分子生命科学Ⅲ 第8回

  • 講師:饗場篤
  • 参考文献:Neuroscience: Exploring the Brain, 3rd Edition
  • 参考文献:Principles of Neurobiology
  • 参考文献:カラー版 神経科学 −脳の探求−

運動系(2)

脳による運動制御

¬中枢運動系(central motor system)¬には、上部は前頭葉から下部は脊髄まで、階層化された制御レベルの構成が見られる。この運動制御の階層性は、以下のような3段階に分けて考えるとわかりやすい。

  1. 高位レベル:戦略(strategy)(企画・立案) ¬大脳新皮質の連合野¬と¬前脳の基底核¬が、戦略、動作の目標とその達成のための最良の運動方針を立てる。
  2. 中位レベル:戦術(tactics)(実行計画・プログラミング) ¬大脳新皮質の連合野¬と¬小脳¬は、戦術、一連の筋の収縮により、限られた空間と時間で滑らかでかつ正確に目標を達成する計画を作製する。
  3. 下位レベル:実行 ¬脳幹¬と¬脊髄¬は、実行、運動ニューロンと介在ニューロン群の発火により、目的とした運動を達成し、同時に必要な姿勢の調節を行う。

下行性脊髄路

脳は脊髄の運動ニューロンと連絡するが、脳からの軸索は、2つの主要な経路により脊髄を下行する。

  • @外側経路(lateral pathway)@は、遠位筋の随意運動に関わり、大脳皮質から直接的な制御を受けている。
    • 最も重要な経路は、@皮質脊髄路(corticospinal tract)@である。この経路は、大脳新皮質から起こり、最も長く中枢神経系で最も大きな神経回路の一つで、約100万本の軸索を含む。
  • @腸内側経路(ventromedial pathway)@は、姿勢と歩行運動の制御に関わり、脳幹による制御を受けている。
    • @前提脊髄路(vestibulospinal tract)@は内耳の¬前庭迷路(vestibular labyrinth)¬からの感覚情報を受ける延髄の¬前庭神経核(vestibular nuclei)¬から始まる。頭部の動きに対する姿勢反射に関与する。
    • @視蓋脊髄路(tectospinal tract)@は、網膜からの直接入力を受ける中脳の上丘から始まる。感覚刺激に対する体位の指向運動に関与する。
    • 網様体脊髄路 は橋および延髄網様体からの下行路で、体幹筋や近位四肢筋の運動を制御する。

slide4

運動野

大脳皮質の4野と6野は¬運動野(motor cortex)¬と呼ばれるが、随意運動の制御にはほぼ全ての大脳新皮質が関わっている。


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Published
Nov 21, 2019
Last Updated
Nov 21, 2019
Category
分子生命科学Ⅲ
Tags
  • 3A 127
  • 分子生命科学Ⅲ 14
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